私立医学部英語マニア

私立医学部の英語に関する所感をつづります。

近畿大学の英語

さて、今回は近畿大学です。

 


近大マグロの研究が目覚ましい近畿大学ですね。

 


関西私大の中では関関同立に次いで

産近甲龍と称されるうちの一角

(関東でいうと日東駒専レベル)なので

 


「医学部と言っても近畿大学なら

入りやすいんだろう」

 


なんて思ったら大間違いです!!!

 


医学部は、近畿大学の中では別格中の別格です。

近畿大学医学部」という別の大学だと思ってもいいほど、難易度も出題内容も違います。

私立医大の中でも上位寄りに位置する難関校なのです。

 


2017年度に配点及び制限時間に変更が加えられ、

それに伴い問題数も若干減りました。

それでも問題構成自体は変わらず以下の通りです。

 


第1問 文法空所補充(4択)

第2問 誤文指摘

第3問 並べ替え

第4問 中文空所補充

第5問 長文読解(500~700語程度)

以上を60分で解きます。

 


まず、全体的に単語レベルが非常に高いです。

その片鱗を垣間見せ受験生の心を折ってくるのが第1問です。

単語レベルは英検で言うと準1級(大学中級)もしくは1級(大学上級)レベルです。

「それってどんなレベル?」

という方のために目安を示すと以下の通りです。

 

高校卒業レベルと言われる英検2級の必要語彙数が3,800〜5,100語。

これに対し、英検準1級は7,500〜9,000語。

英検1級だと10,000〜15,000語です。

普通の高校生の持つ語彙力の1.5倍〜4倍は必要になるレベルなのです!!

したがって、受験生が知らない単語や表現のオンパレード!!!

早慶レベルの受験生でも知らない単語が続出するはずです。

 


かつてはその中に標準的な問題が混ざることもあったのですが、

年々その数は減り、現在では皆無と言っても良いでしょう。

 


そんな第1問の対策ですが、結局知ってるか知らないかの問題なので、考えても無駄です。

心配しなくてもここは受験生全員が意味不明だと感じている問題なので、

クイズ感覚で

「当たったらラッキー」

ぐらいで、どんどん解き進めましょう。

仮に全滅しても落ち込む必要はないです。

10問ありますが、目安は5分で解きましょう。

 


次に第2問。誤文指摘です。

日本語で短文が与えられ、

その意に近い英文を指摘せよ

という問題ですが、ここも単語レベルが高いため

ドンピシャで選べることはまずないので、

実質は誤文指摘になります。

 


単語が難しいので受験生は怯みがちですが、

第1問とは違って考えれば得点できる可能性のある問題ですから頑張って解きましょう。

手順は以下の通りです。

 


まずは選択肢をとにかく訳します。

分からない単語が入ってても何となく

意味が類推できるはずです。

気にせずそのまま訳しましょう。

すると、

 


①意味が全然違う。

②英文として成立していない。(ex.主節がない)

 


のどちらかに該当するものがあるので

除外しましょう。

 


その上で残った選択肢を吟味します。

単語が難しいので惑わされがちですが、

見るべきは単語ではありません。

 


①文構造

②前置詞

③代名詞

④冠詞

⑤名詞の単複

⑥動詞の形

 


などなどに注意していくと、違和感に気付けるはずです。

ここまで来ると大体答えは決まりますが、

それでも絞り切れない場合は、日本語訳に近い方を選びましょう。

この問題では意訳はあまりされません。日本語の構造通りになっている方が答えです。

 

ちなみに、この第2問は10分が目安です。

 

 

 

さて、第3問。並べ替えです。

ここも一筋縄ではいきません。

日本語のリード文なしで

純粋に英語だけで並べ替える問題ですから、

 


「ええっと、まずは選択肢を見てなんとなくつながりを考えて......」

 


という解き方をしようとすると近大の罠にはまります。

 


even when ...だと思ったらそうではなかったり、

houseが実は動詞だったりするのが普通です。

 


ですから、まずは選択肢を見るのではなく、

与えられた英文をよく分析して、文の「形」から

「この空欄には名詞しか入らないな」

「ここは前置詞でないとおかしい」

といったように品詞を確定していくことです。

 


後は品詞に基づいて空欄を埋めて

いくわけですが、

「実はlookは名詞で使うのかもしれない」

といった様々な可能性も常に考えておきましょう。

この第3問も10分が目安です。

 


続きまして第4問。中文空所補充です。

ここも選択肢の単語レベルが高く、

また文章の内容もやや難しい場合が多いので

時間がかかってしまいます。

それでも、第5問の長文が残っているので

10分、かかっても15分で終わらせたいところです。

 


文章中の空所補充問題は、

空所は空所のまま訳して日本語で考える

のがポイントです。

そのためには、品詞や文構造といった

英文解釈能力が不可欠です。

しっかり練習しておきましょう。

 


最後に第5問、長文読解です。

この長文読解も単語レベルがやや高く、

また文章の内容も抽象性が高い場合が

多いので難しく感じることでしょう。

残り時間を目一杯使いましょう。

 


言い忘れていましたが、近畿大学

金沢医科大学と同様、文字が小さく

読みづらいと感じるかもしれません。

特に長文読解は思わぬストレスがかかる

かもしれませんので気をつけましょう。

 


2016年度までは制限時間が90分で、

時間には余裕がありました。

しかし、2017年度から60分になり

かなりタイトになったと言えるでしょう。

 


合格最低点は毎年60%前後です。

 

高得点を狙う必要はありません。

結構間違ってもいいんです。

単語が難しくても諦めず、できる問題をしっかり得点していきましょう。