私立医学部英語マニア

私立医学部の英語に関する所感をつづります。

関西医科大学の英語

今回は関西医科大学です。

 

記述式で毎年大問4題か5題で構成されています。

最後の2題が長文であるのは毎年共通ですが、

初めの2題ないし3題は文法・語彙問題で、

毎年形式が変わっています。

 

 

文法・語彙問題と書きましたが

2013年度頃から少しずつ語彙問題に偏っていて

現在では語彙の知識を問う問題の方が多いと

言えるほどになりました。

 

よく見られる4択式の文法空所補充問題は

2015年に突然気まぐれのように出題しただけで

以後は全く見られていません。

 

そしてこの語彙・知識問題が

また変わった問題なんです∑(Д)!!!

 

色々と出題の仕方も変化しているのですが、

基本的には英文が与えられていて、

 

空所に入る単語を英語で書け

 

というものです。

頭文字は与えられています。

形式としては昭和大学と似ていますね。

 

これだけ聞くと、なにが変わっているの??

と思うかも知れませんが、変わっているのは

問う単語なんです。

 

過去の出題例をいくつか挙げてみると

 

平行線

百分率

正比例

温帯

 

など、ふと聞いてもすぐには出てこない、

あるいは知らない単語がよく出題されます。

ちなみに答えは順に

 

parallel straight lines

percentage

direct proportion

temperate zone

 

ですが、普通の受験生は知りませんよね?笑

 

しかも仮にその単語が分かったとしても

単数か複数かを考えなければならない

という問題も多いです。

 

さらに近年の傾向を見ていると

先ほどの例でも見られたように

数学にまつわる問題が

201420162017年度で

出題されています。

 

2016年度などは数学愛?が高じすぎて

与えられた英文を「数式や記号にして表せ」

といった問題まで登場しました。

 

意味不明ですよね?

関西医科大の問題を見たことがない人は

想像もつかないと思います。

 

以下のような問題でした。

 

(1)x is not equal to y.

(2)x is less than or equal to 10.

(3)a times b equals e.

(4)The absolute value of -x is x.

(5)four point three cubic centimeters

 

(1)x≠y

(2)x10

(3)a×b=e

(4)-x=x

(5)4.3

 

「数学やん!!∑(Д)

解答だけ見ると「英語ですか?」

と思わず目を疑ってしまいます。

 

この傾向は、関西医科大学が学生たちに、

よくある人文科学系の英文よりもむしろ

自然科学系の英文に慣れ親しんで欲しい、

英語で情報収集できるようになってほしい、

という意向を持っているからです。

 

そして、この意向は第3問、第4問の

長文読解にも表れていると言えます。

 

「英文構造に注意して、論理展開を押さえながら...

といった読み方は特に求められていません。

 

「英文を読んで、内容が理解できたか?」

 

この一点に集約されています。

英字新聞を読むような気持ちで読み進めると

いいと思います。

 

ですから出題形式の方も、

 

まず内容一致問題。

×かの単純な問題です。

難しくはないので満点を狙います。

 

次に和訳問題。

といっても、「文構造を取って...」といった

一般的な和訳問題ではなく、訳すのは

23語程度の短い表現です。

 

過去の出題例をいくつか挙げると

 

a huge cash cow

behind the curve

lend itself to

 

などです。

 

これらの表現は「知識として知っておけ」

という問題ではなく、

「英文の内容を理解して文脈から推測しなさい」

という問題です。

 

ちなみに上記の解答は順に

 

「金のなる木」

「遅れを取っている」

「に役に立つ」

 

などの訳が当てられますが、

おそらく文脈に合っていて

似たような意味なら

点数がもらえると思います。

 

そして最後に空所補充問題です。

「文章中の空所に適する単語を考えて入れろ」

という記述問題ですが、選択肢がある訳でも

「文章中の単語から抜き出せ」

でもなく

 

「考えて入れろ」

 

なのでやや難しく感じます。

 

しかし、関西医科大のこの問題の答えは

ある特徴があります。

 

それは

 

「中1でも知っている単語」

 

が答えになりやすいという特徴です。

 

過去の解答例で言うと

 

is

and

do

not

by

with

 

など......

もちろん簡単な単語故に周辺の文をよく

分析しなければ答えに辿りつくのは

難しいのですが、悩んで「分からない!」

となったらこれを思い出して下さい。

 

 

......と、いったように!!

関西医科大学は他大学の入試問題とは

一線を画す、かなり変わった問題なのです。

 

次の試験もどんな出題になるかわかりません。

でも、たとえどんな突飛な問題だとしても

焦らずじっくり取り組んで下さい。

 

とは言え、長文はどちらも1000語程度で

時間は80分なので、時間配分には気を付けましょう。