私立医学部英語マニア

私立医学部の英語に関する所感をつづります。

愛知医科大学の英語

今回から、私立医学部の英語の問題傾向を1つずつ五十音順でアップしていきたいと思います。

 

私立医学部全31校の過去問を10年分解いた上で多分に主観を交えながら書いております。

 

また、加筆更新はしていく予定ですが、一部古い情報が含まれるかもしれませんがお許しください。

 

というわけで、第1回は愛知医科大学についてです。

 

2015年度から試験時間が80分に短縮され、

2016年度からは出題形式も少しずつ変更され、

2017年度は完全マーク式になりました。

以後この形式が踏襲されています。

 


というわけで2017年度以降の形式に準じて

述べていきたいと思います。

 


全体的に問題量は多めです。

文法・並べ替え・長文など

多彩な問題が用意されています。

 


まず第1問は文法・語法の空所補充問題です。

日本語のリード文がついているので

却って惑わされがちです。

また、知識を問うイディオム問題かと思ったら

実は「自動詞か他動詞か」という観点で解ける、

という場合も多いです。

与えられた日本語は頭の片隅に置く程度にして、

むしろ英文をしっかり分析しましょう。

 


第2問は英英辞典式の英文の記述が与えられ、

その意を表す単語を答えさせる、という

愛知医科大学特有の問題です。

 


2016年度までは最後の方で出題されていて、

しかも記述式だったのが、

2017年度からは単語の一部のスペルを

記号で選ぶ形式になりました。

 


この問題はまず与えられた英語の説明文の

「冒頭」

に注目します。

英語という言語は主たる情報を先に出す言語です。

つまり、冒頭の「品詞」がそのまま、

問われている単語の品詞なのです。

 


品詞が確定できたら、英文を訳し、

その意を表す単語をまず「日本語」で考えます。

その際に先ほど確認した品詞もヒントとなります。

あとはクイズ感覚で解きましょう。

ただ単語が分かってもスペルがややこしい

単語が問われやすいので、実際に書いて

確認してみましょう。

 

 

 

第3問は並べ替え問題です。

これも2016年度までは最後の出題だったのが

前倒しされていました。

 


日本語のリード文がついていますが、

不要な1語も入っているので厄介です。

「知っている表現をとにかく並べる」

のではなく、しっかりと文の構造を分析し、

全体のSVや節の構造などを考えて、

「適切な品詞を適切な場所に当てはめる」

という方式で解答を作ると正答を導き出しやすいです。

 


第4問は単語の補充問題です。

冒頭に1語〜5語程度の語句が与えられ、

その下に書かれている4〜5行程度の英文

の適切な位置に補いなさい、という問題で、

これも愛知医科大学特有の問題です。

 


大体は文構造をしっかり分析していくと

すぐ見つかるものばかりなのですが、

厄介なのは副詞・副詞句・副詞節です。

副詞は文の要素にならないので、

英文構造を分析しても違和感は見当たりません。

純粋に意味から考えていかなければならないのです。

 


2017年度でも"into slavery"という副詞句を

入れる問題が出題されましたが、

ほとんどの受験生が間違えていました。

 


副詞表現を入れろ、という問題が出てきたら

副詞の性質を思い出して下さい。

副詞は名詞以外であれば何でも修飾します。

でも大体は「動詞」にかかりますし、

「動詞」を修飾する副詞の方が

問題になりやすいといえます。

 


件の"into slavery"も

"was born"という動詞にかかる問題でした。

とにかく英文としては成り立っていても

「なんだか情報が足りないぞ?」

と思うところに注意を向けて下さい。

 


さて、第5問から第7問までは長文読解です。

500語〜700語程度の長文が連続します。

内容としては医療系に限らず社会学や心理学

など多岐に亘ります。

問題は空所補充が多く、あとは並べ替えや

内容一致問題が主流です。

 


空所補充は前後を見ただけで分かる問題は少なく、

また内容一致問題もあるので、やはり全文読むのが理想です。

 


こうして見てくると、かなり時間はタイトだと言えます。

それでも6割程度は得点する必要があるので、

1問1問はそれほど時間をかけず、

なおかつ取るべき問題は取る、という

当たり前のことを当たり前にこなす力が

求められています。

 


時間配分にはくれぐれも気をつけて

頑張って下さい。